• 間取レイアウト

マンションリノベーションの間取り変更を解説!事例と注意点を紹介

一般的な戸建て住宅であれば間取りの変更は簡単ではありません。
建物の強度は壁の量や配置によって決まるため、間取り変更が危険な場合があるからです。
また、増築は建ぺい率や容積率の問題があるため、不可能な場合が少なくないでしょう。

その点、マンションであれば建物の強度はコンクリート躯体で支持します。
そのため、戸建て住宅とは違い、間取りの変更は可能です。また、リノベーションの際には間取りも併せて変えられます。
ここではマンションリノベーションの際の間取り変更について、変更例や注意点などを解説します。

 

目次

・1.マンションの間取りは変えられる

・2.リノベーションで間取りを変える例

・3.間取り変更と併せて考えたいマンションリノベーション

・4.マンションの間取り変更時の注意点

・5.まとめ

 

マンションの間取りは変えられる

冒頭に挙げた通り、マンションの間取りは変更可能です。
これは部屋を仕切る間仕切り壁を撤去したり動かしたりする変更です。
これにより、広い部屋を造ったり、部屋を狭くしたりもできます。また、キッチンや浴室を移設したりもします。
ただし、間取りは無制限に変えられる訳ではありません。
ここでは間取り変更が可能な部分について取り上げます。

間取り変更は専有部分の内側

マンションは「区分所有法」と「管理規約」によって様々な制限が決められています。
その内の1つがリノベーション可能な範囲です。
さて、マンションは専有部分と共有部分に分けられています。専有部分は居室部分で、共有部分がエントランスや階段、廊下部分などです。
マンションのリノベーション可能な範囲は専有部分までに限定されます。
尚、専有部分の範囲は分かりにくい場合があるため注意が必要です。例えば、玄関ドアの場合はドアの内側が専有部分、外側が共有部分です。
また、窓サッシやコンクリート躯体などは共有部分となります。

内装部分の全部を変えられる

マンションは専有部分であれば全部の変更が可能です。
例えば、古いマンションの場合、和室を組み合わせた間取りがよく見られます。DKと六畳間や八畳間の組合せ、収納は押入れであり、キッチンは壁付けのタイプでしょう。
しかし、マンションは内装部分であれば間取りまでを含めて変更が可能です。和室を洋室に変えるだけでなく、部屋を仕切る間仕切り壁を撤去して、大きな部屋を造ることもできるのです。
それに併せて設備や内装材の変更もできます。変更による可能な幅は広いのです。

 

リノベーションで間取りを変える例

ここでは間取りを変えてリノベーションをする例を取り上げましょう。

広いLDKを作る

昔のマンションには和室の茶の間とDKの組合せの間取りが多くありました。しかし、今のマンションはLDKが生活の中心です。
さて、DKと茶の間が隣接している間取りの場合、DKと茶の間を繋げて広いLDKを作れます。
例えば、DKが4畳程度で、茶の間が8畳程度で隣接している場合、仕切っている壁を撤去すれば広い空間が作れます。それに併せて2部屋の床を一旦撤去し、繋げた部屋を同じフローリングを張ってクロスを共通化すれば、12畳程度の広いLDKとなるのです。

対面式キッチンを作る

昔のキッチンは壁付けのタイプでした。
しかし、今はキッチンも多様化しています。その中でも流行っている例が対面式のキッチンです。
さて、対面式のキッチンもリノベーションで作れます。
例えば、間仕切り壁の移設や加工によってカウンターの設置が可能ですし、ペニンシュラ型やアイランド型などのキッチンへの変更もできます。
尚、キッチンの設備も昔のタイプと様変わりしました。IH調理器具や食器洗い乾燥機などの安全で便利な設備が登場しました。キッチンのリノベーションに併せて設置をすれば、より良いキッチンを作れます。

趣味のスペースを作る

間取りを変えれば趣味のスペースを作れます。
例えば、音楽鑑賞が趣味の人の中には音漏れなどが気になり、大音量で楽しめないかも知れません。
また、楽器演奏の人も音漏れが気になることでしょう。
しかし、趣味の部屋を新規に作り、間仕切り壁や床に防音素材を多用すればその部屋の防音性は上がります。音楽鑑賞や楽器演奏の部屋を作れるのです。
尚、コレクションを趣味にする人には保管庫となる部屋も作れます。思いきり趣味を楽しめるでしょう。

在宅ワークのスペースを作る

新型コロナ感染症の騒動以来、テレワークを導入する企業が現れていますが、仕事場の確保に困った人の声が意外と聞こえたものでした。
さて、そのようなマンションであってもリノベーションで間取りを変えれば、在宅ワークのスペースを作れます。
例えば、リビングの一角にワーキングスペースを設け、間仕切り壁で仕切るのです。
また、ワーキングスペースを可動間仕切りなどで仕切れば、オンとオフの使い分け可能で、メリハリも出ます。

廊下を広くする

間仕切り壁の移動によって廊下の幅を広げられます。
幅の広い廊下は壁による圧迫感を低減できるため、気分的に余裕が生まれます。
また、廊下の壁に絵画などを飾る場合にも広い廊下が有利です。
他にも、開き戸を付けても余裕ができます。収納スペースには開き戸が都合の良い時は多く、デッドスペースの活用にも繋がります。

ウォークインクローゼットを作る

古い和室の構成のマンションでは、収納が押入れの場合が少なくありませんでした。
しかし、今のマンションはウォークインクローゼットが多いです。
さて、マンションは間取り変更でウォークインクローゼットが作れます。中古マンションであってもウォークインクローゼットとなり、生活が現代的になるのです。

畳のスペースを作る

和室を組み合わせたマンションにLDKを作る場合、LDKの一角に畳のスペースを設けるとスタイリッシュで面白い空間ができます。「和モダン」のスペースができるのです。
この畳のスペースは洋室のフローリングとは全く異なります。お茶を楽しむのも良いでしょうし、小さい子供の遊び場としても良いかも知れません。
単なる和風のスペースとしてだけでなく、ユーティリティースペースにも使えます。

クランクイン玄関を作る

マンションの玄関はそのままでは直線的に進んでリビングまで続きます。
ところで、このような直線的な玄関であれば、リビングが玄関から丸見えになることもあり得ます。来訪者が玄関を開けた時、リビングの様子が来訪者の目に入る事態もあるのです。
これはプライバシーの点で問題があります。
その点、リノベーションで廊下と玄関を変更すればクランクイン玄関を作れます。玄関からリビングが見えにくく、プライバシーが守られるのです。

車いすに対応させる

リノベーションで廊下を広くすれば車いすの通行が容易になります。
ところで、車いすの操作は前後方向だけではありません。角を曲がる操作や方向転換などもあります。
方向転換などに必要なスペースの広さは車いすの利用者の技量にもよりますが、間取り変更で廊下の幅を変えた方が便利な場合が多いです。

 

間取り変更と併せて考えたいマンションリノベーション

ここで、間取り変更に併せて考えたいリノベーションを紹介します。
今のリノベーションは技術的に高く、可能な改装はバリエーションに富みます。

天井を高くする

マンションのリノベーションでは天井を高くするケースもあります。
天井を高くすれば空間に余裕が生まれます。
また、単に天井を高くするだけでなく、天井のスケルトン化も面白いです。スケルトン化すればカフェのような空間演出もできます。リビングがよりスタイリッシュになるでしょう。
尚、天井を高くした場合には照明器にこだわると、更に面白い空間が作れます。特に、今は照明がLEDのため、光の色まで変えられるため、おしゃれな空間を演出します。

パーテーションの設置

部屋は広くするだけが便利になるのではありません。状況によっては仕切ることも必要なのです。
しかし、間仕切り壁で完全に仕切るよりも簡易的に仕切る方が良い場合があります。
例えばパーテーションを使えば簡易的に仕切れます。
尚、パーテーションには可動式のタイプがあります。仕切りたい時にだけパーテーションで仕切り、仕切る必要のない時には格納しておけるため便利です。たまに使うワーキングスペースに良いでしょう。

間仕切り壁にガラスを多用して明るくする

リノベーションで間仕切り壁を新規で設置する場合、単なる壁にするのではなく、ガラスを多用すれば光が中に差し込むため明るくなります。また、壁の向こう側が見えると開放感が出るものです。部屋を広く感じることでしょう。
尚、パーテーションにガラスを使うと一層スタイリッシュになります。雰囲気が開放的になるため推奨できます。

 

マンションの間取り変更時の注意点

このように、マンションは間取り変更が可能なのですが、やはり注意点はあります。
ここでは、間取り変更時の注意点を挙げましょう。
尚、この知識はリノベーションに関する制限が含まれるため、リノベーションを前提にして中古マンションを購入しようとしている人には特に重要です。

資金計画に注意する

マンションのリノベーションは多額の資金が必要です。特に、間取り変更は既存の壁を撤去する工事も含まれるため、費用は膨らんでしまいます。
そのため、資金計画には十分に注意しなければいけません。予算には十分に余裕を持ちましょう。
また、業者と打ち合わせる際には予算を最初に伝えるべきでしょう。
尚、リノベーションには追加工事が発生する場合があります。例えば、床下や天井裏などの見えない部分の老朽化が著しく、補強が必要なケースです。
予算が十分であれば、仮にこのような事態になったとしても十分に対応できます。資金計画は注意しましょう。

管理規約を確認する

前述のようにマンションのリノベーションの範囲は管理規約よっても決められています。そのため、管理規約の確認が非常に重要です。
例えば、区分所有法で考えるならば専有部分はリノベーションが可能と考えられるかも知れません。しかし、管理規約によって別途に制限があるため、不可能となるのです。
ただし管理組合の許可を取れば可能になる工事もあります。。
例えば、マンションの玄関ドアは廊下側が共有部分になるため交換はできないことになります。しかし、管理組合の許可がおりれば可能となります。

マンションの構造を確認する

間取り変更を検討するときにはマンションの構造確認が重要です。
マンションの構造によっては間取り変更ができないからです。
例えば、専有部分の間仕切り壁がコンクリート躯体の場合には、コンクリート躯体が共有部分になるため変更はできません。
このように構造が理由で変更ができないケースは時折あります。最初にリノベーションの計画段階で構造を確認しましょう。

ダクトに注意する

リノベーションで広いLDKを作ってキッチンの配置を変える場合や浴室などの位置を変える時には、ダクトの配置にも注意しなければいけません。
マンションによっては天井裏に梁が走っているケースもあり、ダクトを動かせないケースがあるからです。
また、仮にダクトが長くなり過ぎる場合や、クランク部分が多くなる場合には換気効率が悪くなります。
煙が排気できないと危険です。キッチンや浴室などを変更する時にはダクトにも注意しましょう。

水まわり設備は制限があることも

キッチンや浴室などの水まわり設備の移動にも制限が発生する場合があります。
これは排水管の配置からの制限です。仮に配管をいい加減に設置すると、詰まりやすくなります。
また、浴室・キッチン・トイレの位置関係も重要です。
リノベーションで間取りを決める際には配管に注意して水まわり設備を配置しましょう。

生活動線を考える

間取り変更の際には生活動線の検討も重要です。
例としては、LDKからの各部屋への移動などの動線が挙げられます。
また、お年寄りがいる世帯や車いすを使う人がいる世帯では、浴室やトイレの位置を十分に検討しなければいけません。間取りを間違えると移動が大変になり、不便になるからです。

 

まとめ

マンションの間取り変更について取り上げました。間取り変更のリノベーションによる様々なメリットが把握できたことでしょう。また、間取り変更の可能性などもイメージできたことでしょう。
マンションのリノベーションはマンションの付加価値を上げますが、間取り変更を同時に行うならば更に良くなります。中古マンションであっても現代的な物件によみがえるため、中古マンションの購入を検討している人には推奨できます。ぜひともリノベーションには間取り変更も併せて考えましょう。

なお、マンションのリフォーム・リノベーションに関するご依頼は「ビルディングデザイン」がおすすめです。 PanasonicリフォームClub加盟店でもある当社では、デザイン・設計から施工まで自社ですべての内容を承っているので、個別に業者を依頼するよりもコストを抑えれる可能性もありますし手間も省けます。

「ビルディングデザイン」を利用して、費用を抑えつつ快適な住居をデザインしましょう。
(ビルディングデザインが手掛ける住宅リフォームサービスの詳細はこちら)