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マンションのトイレリフォームを徹底解説!確認しておくべき注意点とは


トイレは毎日使うため、住宅設備の中でも快適性が求められます。
それだけに、特に中古マンションではトイレのリフォームが望まれます。

しかし、トイレリフォームには意外に知られていない重要な点が少なくありません。仮に、知らずに着工するならば、状況によっては損失に繋がり得ます。
そこで、ここではトイレのリフォームを取り上げ、中古マンションの事情から今のトイレのグレードと機能、そしてリフォームの例や確認点などを解説します。

 

目次

・1.中古マンションのトイレについて

・2.トイレのグレードと機能

・3.こんなトイレリフォームもできる

・4.トイレリフォームの前に確認したいこと

・5.まとめ

 

中古マンションのトイレについて

まずは中古マンションのトイレ事情について取り上げましょう。
リフォームは何でも可能な訳ではありません。ですから、リフォームを検討する場合には現状のトイレの確認が必要です。

旧式のトイレの場合がある

中古マンションといっても築年数はさまざまです。建ってから数年しか経ていない築浅から、築40年を超える物件まであります。
当然ながら、それぞれのマンションにはそれぞれの時代の製品が設置されているため、物件によっては、旧式のトイレがそのまま使われています。

例えば、今のトイレはウォシュレット付きが一般的です。
しかし、古いマンションのトイレは今のタイプほど高機能ではありません。ウォシュレットが着いているとは限らず、古いものが使われている場合があるのです。

機能が劣る場合がある

新しいトイレと旧式のトイレではウォシュレット以外にも性能の差があります。
代表的な例が「使用する水の量」と「掃除のしやすさ」です。

まず、水の量ですが、昔のトイレは13リットル程度が必要でした。しかし、今では4リットル以下にまで抑えられ、節水が図られています。これにより、水道料金が節約されます。
また、掃除のしやすさも進化を遂げました。便器が掃除しやすい形状に変わり、しかも表面に特殊な加工を施していて、汚れが付着しにくくできています。

このように、トイレは新旧で性能に差があります。古いマンションでは不便な場合があるのです。

手洗い用水栓が外の場合がある

古いマンションでは手洗い用水栓が外の場合が少なくありません。
今のトイレは手洗い用の水栓が個室内に設置されているケースが多いです。壁付けタイプの小型の水栓が個室内に着いていますし、スペースを広く取っているマンションでは、更に使いやすいタイプの水栓が着いています。

いずれにせよ、水栓が個室の中にある場合は、ドアを開ける前に手を洗えるため衛生的です。
しかし、古いマンションの場合はドアを開けてから手を洗う恰好になります。そのため、衛生面で不利です。

 

トイレのグレードと機能

住宅建材は基本的に「高級」「中級」「普及」の3つのグレードに分かれています。グレードによって違うのは「仕様」と「コスト」です。グレードが高くなれば高性能で高級素材が使われ、普及になればコストパフォーマンスが重視されます。

さて、トイレも仕様とコストで3つのグレードに分かれています。
ここでは、トイレの3つのグレードを取り上げ、それぞれの仕様について解説しましょう。

ただし、どのメーカーもグレードで分かれるのですが、どのグレードにどのような機能を持たせているかはメーカーによって異なります。リフォーム計画の際には各メーカーの仕様の比較が大切です。

高級グレード

高級グレードが性能的にも高いです。性能はメーカーによっても異なりますが、各社とも最新のテクノロジーを投入しています。
代表的な機能は次の通りです。
 ・ウォシュレットが標準装備
 ・タンクがないため掃除がしやすい
 ・自動排水
 ・自動洗浄
 ・電動開閉
 ・除菌効果
ただし、価格は高く、30万円が目安です。

中級グレード

中級グレードは便利な機能とコストをバランス良く織り交ぜた仕様と言えます。価格はそれなりに掛かりますが、必要な機能が備わっているため一般のリフォームにはオススメです。

機能としては、節水や掃除がしやすいなどの基本部分は備えていますが、自動排水などの高い機能は削られます。
価格は20万円くらいです。

普及グレード

普及グレードは、機能よりも価格が優先されていることが特徴です。
ただし、昔のトイレと比較するならば、節水や掃除のしやすさなどの基本性能は高いため、単なる便器の交換であっても、昔のものよりは使用感が良くなるでしょう。
価格は10万円を切るものもあります。

 

こんなトイレリフォームもできる

トイレのリフォームは便器の交換だけではありません。トイレまわりのトータル的な改装も可能です。
ここでは一般のケースよりも「一枚上手のトイレリフォーム例」を挙げてみましょう。

バリアフリー化

バリアフリー化は手摺りの設置が第1と考えらえられますが、それだけではありません。運動能力の落ちた人のための施策は他にもあるのです。
例えば、車いすへの対応があります。

トイレの車いすへの対応を考えるならば、個室の広さまで検討する必要があるでしょう。車いすの動きは前後方向だけでなく、左右へ曲がる動きや方向転換などもあるからです。
他にも便器の蓋を電動開閉に変えたり、壁付けのリモコンを設置したりする場合があります。

機能性内装材の利用

機能性内装材には防臭効果や抗菌、そして汚れが付着しにくいものがあるため、トイレ内装部分のリフォームに向いています。
また、壁紙やフロア材は色も揃っているため、他の部屋とのコーディネートが可能です。

トイレの便器を交換するときに併せて張り替えると良いでしょう。
ただし、内装の変更には費用が必要です。資金計画を立てるときに内装の変更も計算に入れましょう。

設置場所の変更

マンションの内部を全部撤去して間取りを変える場合には、トイレの移設も併せて考えるのもオススメです。
例えば、広いLDKを作る場合にはトイレの位置を変えた方が生活動線の面で良い場合があります。そのような場合には、思い切って移設することも検討すべきでしょう。

尚、家族の状況によってはトイレの増設もあり得ます。費用は掛かりますが便利になります。

人感センサ付き照明の設置

トイレの照明に人感センサを付けると便利です。
特に、消し忘れの心配がなくなります。節電にも繋がるためオススメです。

ただし、人感センサは周囲の光や熱の状況によっては勝手に点灯するなどの誤作動の可能性があります。
誤作動防止のためにも、設置前に窓などの位置関係の確認が必要です。

収納にこだわる

トイレは意外に設置するアイテムの多い場所です。
例えば、トイレットペーパーをストックする必要があるでしょうし、掃除用具を置く必要もあります。

これらを見える場所におくことは不格好にも見えます。きれいにするためにも収納を専用に作るとよいでしょう。
尚、リフォームと同時に造作収納を設置するとデザイン的にスッキリします。

タッチレス水栓の設置

手洗い用の水栓にタッチレスのタイプを設置すれば、より衛生的になります。
水栓はトイレの使用後に使うため、汚れる場合もあります。

しかし、タッチレスならば、そもそも水栓に手に触れないため、汚れが付着する心配がないため衛生的です。
ただし、タイプによっては電池が必要なものがあるため、予備の電池を置く必要があります。

 

トイレリフォームの前に確認したいこと

このようにトイレにはグレードがあり、リフォームの例もさまざまです。家族構成などに合わせて仕様を考えると良いでしょう。

しかし、マンションの場合にはルールがあるため何でもできるとは限りません。リフォームの前に確認すべき点があるのです。
そこで、ここではリフォームの前に確認したいことを挙げてみましょう。

マンションの管理規約

最初に挙げられる点が、マンションの管理規約の確認です。
マンションのリフォームは区分所有法によって制限されているためですが、制限は法的なものだけではありません。個々のマンションで定めた管理規約があるのです。

例えば、マンションによっては床材に制限を設けている場合があり、変更可能な範囲はカーペット部分までに限定しているケースがあります。その場合には床材を変更できないため注意が必要です。

尚、管理規約を読む場合には専門的な知識が必要な場合があります。知らないからといって読み飛ばすとトラブルに発展することもあり得ます。しっかりと用語まで確認しながら読みましょう。

費用

リフォームには多額の費用が発生します。工事が大掛かりになれば、それだけ多くの資金が必要です。特に、設置するトイレのグレードを上げる時には余裕がなければいけません。
ですから、資金計画は非常に大切です。事前にしっかりと立てましょう。

尚、リフォームにローンを利用するときは金利への注意が必要です。リフォームローンは住宅ローンとは目的が異なるため、金利が高めになるケースが多いからです。毎月の負担が増えるため、ローン計画は入念に立てましょう。

トイレが移設できる範囲

トイレの移設には制限が発生するケースが少なくありません。
この制限は第1に管理規約によるものです。前述のように規約にはさまざまな制限が設けられていますが、トイレに関しても定めているケースがあります。

次に第2の制限ですが、これは配管の事情によるものです。配管を問題なく使うためには一定以上の傾斜を設ける必要があります。仮に設置位置を間違えて傾斜がとれない場合は流れにくくなり得ます。問題なく使うためには移設可能な範囲の確認が重要です。

内装

マンションによっては内装のリフォームに制限を設けている場合があります。
例えば、床材の変更に制限を設けているケースです。

床材は下の階への騒音にも影響するため、管理規約で変更を禁じているケースが意外にあります。注意が必要となるでしょう

配管

トイレのリフォームは現状の配管がどのような状況かを確認しなければいけません。
配管の状態によって、設置可能な便器が異なるケースがあるからです。

特に重要となる点が排水の構造です。トイレには排水がトイレの背後からのタイプと床からのタイプの2種類があります。両方に使える便器もあるのですが、最初の段階の確認が必要です。

水圧

トイレを設置する場合には、水圧も確認しておいた方がベターです。トイレには最小の水圧を謳っているケースがあり、規定以上の水圧を確保しなければ、使用に影響する場合があるからです。

最近では水圧を上げる装置が登場しているため、高い水圧が必要なタンクレストイレであっても設置は可能ですが、費用などの問題もあるため事前に相談しましょう。

コンセント

昔のトイレであれば使用には電気が必要ありません。例えば、タンク式のトイレはタンクに水を貯めておけば、それだけで使用は可能なためです。
ところで、今のトイレはウォシュレットをはじめ、電気が必要な装置が多くあります。そのため、トイレにもコンセントが必要です。コンセントの有無を確認しましょう。

尚、すべてのトイレにコンセントがあるとは限りません。ウォシュレットなどを設置する場合には、コンセントの工事が必要です。コンセントの工事は電気工事士の資格が必要なため、専門業者への依頼が必要です。

また、トイレのコンセントはアース付きのタイプが必要です。トイレは水を使う設備のため感電リスクがあるため、アースをしっかりと着けて事故を防止しなければいけません。

手洗い用水栓が設置可能か

前述のように、古いマンションの場合には手洗い用の水栓が外にある場合が少なくありません。
そのため、個室内に手洗い用の水栓を後から設置する場合があります。

しかし、水栓は配管の問題やスペースの余裕の問題から、設置が難しい場合があります。
リフォームの前段階から設置が可能かを確認しましょう。

 

まとめ

トイレのリフォームについて、グレードなどと併せて取り上げました。マンションのリフォームの注意点も把握できたことでしょう。

住宅設備の進化は早く、トイレもさまざまな機能が追加されています。それだけにトイレのリフォームは住み心地を良くする上で重要です。古いマンションの場合は旧式な場合だけでなく、コンセントなども付いていない場合もあるため、リフォームの際にはよく確認をしましょう。

また、中古マンションをリフォーム付きで購入する場合も、リフォーム工事を知る上で現状を知っておくべきです。室内を確認する時は隅々まで確認して決めましょう。

尚、マンションのリフォーム・リノベーションに関するご依頼は「ビルディングデザイン」がおすすめです。
PanasonicリフォームClub加盟店でもある当社では、デザイン・設計から施工まで自社ですべての内容を承っているので、個別に業者を依頼するよりもコストを抑えれる可能性もありますし手間も省けます。

「ビルディングデザイン」を利用して、費用を抑えつつ快適な住居をデザインしましょう。
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