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【短期集中リフォーム解説vol.3】マンションのリフォーム範囲とは?意外と知らないできること・できないことを解説


マンションは戸建ての住宅とは違い、専有部分と共用部分とが分かれており、リフォームを行う際に、専有部分のみしか工事できないという制限があります。
この特徴について正しく理解しておかねければ、希望のマンションリフォームを実現することは困難です。

そこで今回の記事では、意外と知らないマンションのリフォーム範囲について詳しく紹介していきます。
マンションリフォーム計画中の方はぜひ参考にしてください。

 

目次

・1.マンションリフォームの基本と必要性
 ・1.1.なぜマンションリフォームが必要なのか
 ・1.2.リフォームのメリットとデメリット

・2.マンションリフォームの基本ルール
 ・2.1.管理規約の理解と遵守
 ・2.2.管理組合とのコミュニケーション方法
 ・2.3.管理規約を遵守した工事を進める流れ

・3.専有部分と共用部分の違い
 ・3.1.専有部分のリフォーム範囲
 ・3.2.共用部分の扱いと注意点
 ・3.3.リフォーム時の制約を理解する

・4.できるリフォームとできないリフォーム
 ・4.1.間取りの変更と構造による制約
 ・4.2.設備の交換と設置に関する規制
 ・4.3.リフォームの成功事例と失敗事例

・5.まとめ

 

マンションリフォームの基本と必要性


マンションリフォームを行う際には、その基本と必要性について理解しておくことが重要です。
基本や必要性が理解できていなければ、間違った知識では正しくマンションリフォームが実施できない可能性が高まります。

そのためここでは、マンションリフォームがなぜ必要とされるのか、リフォームを実施することによるメリット、デメリットについて詳しく解説していきます。

なぜマンションリフォームが必要なのか

なぜマンションリフォームが必要とされるのか、それにはいくつかの理由や目的が存在します。

  • 耐久性の維持や向上
    経年劣化よって、さまざまな部材や材料は劣化し耐久性も低下していきます。
    そのため、定期的の交換ややり替えによって、耐久性の維持や向上を行えます。
  • 住環境の向上
    リフォームを実施することで、現在の住まいの不便に感じる所などを改善し、住環境の向上が可能となって、住み心地をよくすることができます。
  • マンションの資産価値の維持や向上
    マンションリフォームを実施することによって、築年数が経過したマンションでも最新の設備機器が設置や、内装を新調することでその資産価値は向上します。
  • 長期的なランニングコストの削減
    最新設備機器や、材料はコストパフォーマンスがよいものや、光熱費節約につながる機能を有したものが多くあります。

古いものを使用し続けることで、リフォーム費用は発生しないが、最新設備に比べランニングコストが高い場合があるため、長期的な目線でみるとリフォームを行う方がお得となってきます。
上記のようにマンションリフォームを実施することには、さまざまな目的や必要性が存在します。

リフォームのメリットとデメリット

マンションリフォームの目的や必要性を紹介していき、メリットとなる部分を多く感じられたことでしょう。
しかしメリットばかりでなくデメリットとなってくる部分も存在します。

ここでは、リフォームを行うことで生じるメリット、デメリットについて紹介していきます。

マンションリフォームのメリット

  • 耐久性の維持、向上
  • 住環境の向上
  • 資産価値の向上
  • 長期的なランニングコストの削減

マンションリフォームの目的や必要性と重複してきますが、上記がマンションリフォームのメリットといえます。

マンションリフォームのデメリット

  • 規模にもよるが大きな金額が発生する
  • 工事期間の長さや工事期間中の不便な生活
  • 管理組合や管理会社の承認が必要

上記がデメリットとなってくる部分です。
規模が大きくなれば、金額も工事期間も長くなってしまい、工事期間中は別の住まいの確保なども必要となってきます。

さらに戸建てと違い、管理組合や管理会社とのやり取りも必要となってきます。
メリットとデメリットを正しく理解していくことで、さまざまな事を想定して計画できるため、ぜひ覚えておいてください。

 

マンションリフォームの基本ルール


マンションは戸建ての住宅と違い、マンションごとに管理組合や管理会社が存在します。
そこには管理組合が定めた管理規約などが存在し、リフォームなどを行う際には、それらに基づいて工事を進めていく必要性があります。

このようにマンションリフォームには基本ルールが存在し、その存在を理解していない方も多いことでしょう。
ここでは、そんなマンションリフォームの基本ルールについていくつか紹介していきます。

管理規約の理解と遵守

マンションには管理規約と呼ばれる管理に関する基本的なルールを定めたものがあります。
これによって、マンションの住民が円滑に共同生活を送ることを可能としています。
マンションの管理規約の内容には以下のようなものがあります。

  • 規約の目的や定義を示した総則
  • 専有部分と共有部分の範囲や使用方法
  • 管理組合の組織図や業務内容
  • 決定事項や手続きを決める総会について
  • 規約違反についての対応方法を示す罰則

細かい部分については、マンションの管理組合ごとに違いはありますが、一般的には上記のようなものが示されています。
マンションリフォームについての必要な手続きや申請方法、制限なども記載されている場合が多い管理規約を理解、遵守して工事を行うことが、マンションリフォームでは必須のことといえます。

管理組合とのコミュニケーション方法

管理組合と適切なコミュニケーションをとることは、マンション内で住みやすさ、住環境の向上につながる重要なことです。
そんな管理組合とのコミュニケーション方法をいくつか紹介します。

  • 定期的な会合への参加
    定期的に開催される理事会や総会に参加することで、意見交換や情報の共有をはかることが可能です。
  • 各種行事に参加
    管理組合が主催する行事に参加することで、管理組合だけでなく住民同士の親睦を深めることが可能となっていきます。

上記のような管理組合が関わることに積極的に参加していくことで、コミュニケーションがはかれ、マンションリフォームを実施する際にも、スムーズに進めることが可能となってきます。

管理規約を遵守した工事を進める流れ

マンションリフォームを実施する場合には、基本的に管理組合の許可が必須とされています。
そのため管理規約に基づいて工事を進めていきます。
流れについて以下のようなものとなってきます。

  • 管理規約の確認
    まずは管理規約の確認を行います。
    リフォームに関連する部分の規約から、リフォーム可能な範囲、専有部分と共用部分との区別、禁止事項などを確認し、不明点は管理組合に別途確認しましょう。
  • 管理組合へ工事の申請
    リフォームの計画がまとまったら、管理組合へリフォーム工事の申請を行います。
    申請に必要な書類、や記載内容などは事前に確認しておきましょう。
  • 近隣住民への挨拶
    工事の許可や承認が完了したら、上下階や隣接する住民への挨拶を行いましょう。
    工事時期や工事の内容、作業時間など事前に説明しておくことで、工事中の騒音などのトラブルを未然に防ぐことが可能です。
  • 工事の着工
    工事中は管理規約に基づいて、騒音や共用部分での資材搬入などに配慮しながら、適切に工事を行うことが必要です。

上記のように適切な手順を踏んで工事を行うことで、スムーズに工事の実施が可能となっていきます。

 

専有部分と共用部分の違い


マンションリフォームを検討する際、専有部分と共用部分を正しく理解しておく必要性があります。
間違った認識では、リフォーム工事中のトラブルや、規約違反となる場合があります。

ここでは、そんなマンションの専有部分と共用部分の違いについて、詳しく解説していきます。
正しく理解できているのかぜひ確認してみてください。

専有部分のリフォーム範囲

専有部分とは、マンション所有者が自由に使用、改装を行うことができる部分のことをいいます。
具体的な場所については以下のようなものがあります。

  • 部屋の内部
  • 内部の壁や床、天井
  • 室内のドアや収納スペース

部屋の内部では、リビング、ダイニング、キッチン、寝室、浴室、トイレなどであるため、キッチンや洗面化粧台、トイレなどの住宅設備機器は自由にリフォーム工事を行うことが可能です。
内部の壁、天井に施工されているクロスや、床のフローリングはリフォーム可能であるといえます。

その他では室内のドアや収納スペースといった部分もリフォーム可能であり、外部に面していない大部分はリフォーム可能であるといえます。

共用部分の扱いと注意点

共用部分は、マンションの全ての住民が共用で使用する部分のことをいいます。
共用部分については勝手に改装することはできない部分です。
改装を行う場合には、管理組合に相談、許可などが必須であるため注意が必要です。

そんな共用部分には以下のようなものがあります。

  • エントランス、廊下、エレベーター、階段
  • 屋上、外壁、基礎
  • 配管、配線、共用の設備機器、宅配BOX

上記のように、全ての住民が使用するもの、移動のために使用する場所が共用部分として扱われます。
細かい分け方は各マンション管理規約によって定められているため、事前に専有部分、共用部分の確認は必須となってきます。

リフォーム時の制約を理解する

マンションリフォームでの制約は主に、専有部分と共用部分に分けられ、さらに管理規約に基づく制約があります。
自由に好きな場所をリフォームできるわけではないことをよく理解しておきましょう。

マンションで多いのが、床材の変更に関するもので、遮音性の高い床材を使用しなければいけないという制約があります。

その他にも配管や配線についても、排水勾配や設置場所の関係で移動不可な場合などがあります。
このように使用する材料や工事に関連する制約はさまざまなものがあるため、リフォーム時の制約を理解して、希望するリフォーム工事が可能であるか事前に確認が必要です。

 

できるリフォームとできないリフォーム


マンションリフォームでは管理規約や専有部分と共用部分などの関係で工事できる範囲やできる工事に制約があります。
それ以外の要因でも、できるリフォームとできないリフォームが存在します。

そんなマンションリフォームの、できる・できないについて詳しく解説していきます。

間取りの変更と構造による制約

できるリフォーム工事の中で間取りの変更があります。
これは間仕切り壁などを撤去し、広い部屋を作ったり、大きな部屋を分けるために新たに壁を設けたりする工事です。
ライフスタイルの変化によって、部屋数が必要な場合や不要な部屋を無くし、大きな部屋が欲しい場合に行われます。

この工事は専有部分内での工事であるため、できるリフォームに分類されますが、注意が必要な点があります。
マンションは鉄筋コンクリート造の建物が多く、主要な構造部分は撤去することが不可能です。

そのため、場所によっては撤去できない壁が出てきてしまいます。

このようにいくら専有部分で自由なリフォームが可能であっても、構造上の問題でできないリフォームとなってしまう可能性があるため、マンション全体の図面や構造などについては確認しておく必要があります。

設備の交換と設置に関する規制

住宅設備機器の交換はよく実施されるリフォーム工事で、専有部分の工事であるため、自由な工事が可能です。
しかし設置にあたっては、マンションの構造や設備機器の仕様によって、できない工事となる場合があります。
マンションは構造上、排水や配線の位置が決まっており、そちらに接続できる設備機器でなければ設置ができません。

専有部分内では自由に配管、配線の移動可能ですが、接続する箇所が決まっているため、排水勾配や電気配線の大きさ、容量が確保できるものを設置する必要があります。
そのため、設置したい設備機器の仕様がこれらの条件を満たすことができなければできないリフォームとなってしまいます。
住宅設備機器の多くはマンション用の機器を用意しているので、そちらから選択するのがおすすめです。

具体的なリフォームの可能、不可能な部位について

ここでは、具体的にリフォーム可能、不可能部位についていくつか紹介していきます。

リフォーム可能な部位

  • コンセントの増設、移動
    ただし、各住戸の電気容量が限られており、使用量を超過するとブレーカーが落ちる可能性があるので注意が必要です
  • 水回り設備の交換
    住戸内の設備機器は交換や移設が可能です。ただし排水管と換気扇の移動距離に注意が必要です。
  • 玄関ドア(内側)の塗装
    玄関ドアのうち、内側(室内側)は専有部なので塗装できます。
  • 内装の変更
    壁紙の張り替え、室内ドアなどの建具変更は可能です。システム収納なども自由に取り付けられます。
  • 床暖房の設置
    消費する電気やガスは各住戸で使用可能な範囲に限られます。床の高さを上げる必要がある場合もあるため、現地確認が必要です。
リフォーム不可能な部位

  • パイプスペースの移動
    給排水、ガス管、電気配線などの縦配管は共有部分なので移動はできません。
  • 玄関ドアの交換
    ドアの外側は共有部分なので、ドア本体の交換はできません。
  • 窓ガラス、サッシの交換
    外観に影響するサッシは交換できません。窓ガラスの交換は管理組合に確認をしましょう。
業者などに相談が必要な部位

  • 換気扇の移動
    ダクトの距離が長くなると吸い込みがわるくなります。梁による移動の制約もあるので業者に現地確認してもらいましょう。
  • IHクッキングヒーターへの交換
    商品電力が大きいので、現在の電気容量で使用可能か、または容量が増やせるか、管理組合や電気会社に確認しましょう。
  • エアコンの増設
    スリーブ(配管のための穴)があるかどうかや電気容量に注意しましょう。
  • フローリングの張替え
    騒音トラブル防止のため、管理規約で遮音性能を規定している場合もあります。
    なかにはメーカーや品番を問われることもあるため、事前に確認しておきましょう。
  • ガーデニング
    バルコニーは専用に使用できる部分ですが、避難用通路として使用できるように配慮が必要です。
  • バリアフリー化工事
    床の段差を解消する箇所に配管が通っている可能性があります。業者に現地確認をしてもらいましょう。

上記がリフォーム可能、不可能な部位と相談が必要な部位です。
さまざまな制約や構造の問題で不可能となってしまう工事もあるため、事前に工事業者や管理組合へ確認しておくことがおすすめです。

リフォームの成功事例と失敗事例


ここではマンションリフォームの成功事例と失敗事例について紹介していきます。
まず成功事例には以下のようなものがあります。

成功事例

お施主様
お施主様
ウォークインクローゼットやパントリーといった収納部分を設置することで、収納スペースが十分に確保され、整理整頓6ができすっきりとした空間ができた。
お施主様
お施主様
間仕切壁を可動式のものにしたことで、ライフスタイルの変化に柔軟な対応が可能となった。

上記のように、将来を見据えた空間づくりを行うことで、現在の住環境だけでなく、今後の住環境の改善にもつながる工事となっています。

失敗事例

お施主様
お施主様
マンションの構造上、理想のプラン通りに工事ができなかった。
お施主様
お施主様
希望を全て詰め込み予算オーバーとなってしまった。

上記どちらも、事前調査や計画が不十分だったことが原因と考えられます。
気持ちばかり前に進み過ぎては、理想のリフォームは実現しません。

工事前の調査や計画は非常に重要な要素であるため、不明な部分や不安な部分は、管理組合や工事業者などに質問して不安な部分を解消して工事に入っていきましょう。

 

まとめ

今回の記事では、意外と知らないマンションリフォームのリフォーム範囲について詳しく解説していきました。
マンションリフォームを行う際には、管理規約、専有部分、共用部分の確認が特に重要な要素となってきます。
事前確認をしっかり行い、希望のリフォームができる、できないを早期に判断していきましょう。

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